プログラミングの独学は無理という方がいらっしゃいます。反対に独学でも出来るとおっしゃる方もいらっしゃいます。
どちらもそれぞれの理由がありますが、総じて言えることは「プログラミングの独学は挫折しやすく難しい」ということは確かです。
この記事では、どうして挫折しやすく難しいのか。そして独学は無理なのかについて、私の現場経験とインストラクター経験から紹介していきます。
1: プログラミングの独学で挫折が多い理由
プログラミングを独学でスタートすると挫折する人がいます。
でも、ちょっと待ってください。
実はこれ、プログラミングだけではありません。副業で募集の多い「WEBライティング」のスキルを身につけようとする人が独学をスタートして挫折する人も多いのです。
ということは、普段話している日本語を書くことでも、日本語ではない宇宙語のような文字を書くことでも、どちらでも挫折する人はいるということです。
そこで、どうして独学できる人とそうでない人がいるのかを考えていきたいと思います。
1.1: 自分に合った教材が選べていない
はじめに肝心なのがこれ。
自分の今のスキルと目標に合った教材を選べていないということがあります。
私がレッスンでお伝えするときの例えがあります。
あなたがギターをゼロから始めたとしましょう。
今のあなたのスキルは、左右の手が思うように動かない状態なはずです。
薬指や小指は思っているように動きません。
弦を弾く方の手は、思っている弦へ指やピックが到達しません。
そのため、弦を指で押さえているところとは違う弦を弾いてしまい、思っている音とは全く違う音色を奏でてしまいます。
このような状況なのに、プロのギターリストが教えているオンライン教材を観たとしてもマネできません。
左右の手が思うように動かないのに。ドレミファソラシドの場所がわからないのに、
- コードが
- スケールが
- プリングとハンマリングで
- チョーキングで半音上げて
- アルペジオで
などと言われても「ハァ~、すごいなぁ~」で終わってしまうと思います。
では、こういった状態でギターを楽しく続けるには何が必要なのかというと、あなたが口ずさめる簡単な曲を使って基本を解説している情報を活用することです。
どのような曲だと思いますか?
答えは、童謡や小学校の音楽の時間に聞いたものです。
- 赤とんぼ
- きらきら星
- チューリップ
とにかく超簡単な内容からスタートしないといけません。
で、これはプログラミングにも同じことが言えます。
「バカにしてるんじゃないのか」と感じるくらいの教材からスタートするようにしてもらいたいです。
1.2: 見たこと聞いたことを全部暗記しようとする
プログラミングに関することをインターネットで調べると、様々な情報が出てきます。
また、手元にある教材を見ると、次から次へと手法や約束事が出てきます。
そうすると、これまでの学習体験の影響から、多くの人は
「見たこと聞いたことを全部暗記しなきゃ!」
と思ってしまい、受験勉強のように覚え込もうとします。
もしあなたが、これから資格試験を受験しようとしているのなら、暗記は必要な学習です。
でも、これから仕事に生かそう、収入に生かそうと考えているのなら、暗記なんて必要ありません。
暗記するよりも、手元に必要な情報を用意して、必要なときに見ることができるようにしておくことが肝心です。
プログラミングの学習を進める中で、前にやったことでわからないときは、探して見ればいいんです。ほとんどの人は、10回同じものを探して見ると否が応でも覚えます。
本当に必要な基礎は、何度も探して見ますから自然と覚えます。
半年に一度くらいしか登場しないテクニックは、暗記するよりも、あなたが自分で整理した情報へ蓄えておけばいいんです。
1.3: いきなりハイスペックなことを習得しようとする
教材のところでもお話しましたが、どうも人は
- かっこよくありたい
- 賢くありたい
- 難しいことが良いこと
というイメージを持っているようです。
そのため、HTMLの基礎がわかっていないのに
- jQueryで動きを出したい
- Bootstrapでデザインをかっこよくしたい
- WEBアプリケーションで会員管理がしたい
このようなハイスペックなことを、いきなりはじめようとします。
冷静に考えるとわかりますが、これってほぼ無理です。
でも、やっちゃうんです。こういうことが「できる!」と書いてある情報を見たり、書籍を購入したりするんです。そして、自ら気持ちを萎えさせる情報に浸かって挫折への道を歩み始めます。
2: プログラミングの独学が難しいと感じること
挫折と関係の深いのが「難しく感じる」部分ではないでしょうか。
2.1: 理解できているのかわかりにくい
独学は自分との戦いです。
ですから、簡単に同僚や友人と比較することができません。
経験から言いますと、自分が本当に理解できているのかどうかは、3年くらいやらないと分かりません。
理解できているかどうかよりも、何か動くものを作れているのかどうかにフォーカスした方がいいですね。
2.2: エラーが出たとき誰にも聞けない
独学のつらいナンバーワンです。
でも質問や相談が出来ないからこそ、独学は
- 好きな時間に
- 好きな場所で
- 比較的安い費用で
自分のスキルを身につけることができるんです。
また、自力でネット検索して解決できるスキルも身につきますから、難しいけれど将来の無駄にはなりません。
2.3: モチベーションが低下しやすい
レベルがわからない。
質問できない。相談できない。
エラーが解決しない。
こういったことが続くと、モチベーションが低下します。でも、こういったときこそ思い出してもらいたいのです。
「どうしてプログラミングを始めようとしたのか」
モチベーションを上げるには、目的を再認識するのが一番です。
3: プログラミングの独学は無理なのか!?
挫折する理由と難しく感じることを見てきました。
これらの内容を見ると「独学は無理なんじゃないの?」と思うかもしれません。
でも、次の3つのポイントを理解し覚悟すれば、独学でスキルを身につけることは可能です。
3.1: 10000時間の法則
新しいスキルを身につけるためには、10000時間が必要だと言われています。
これは楽器でもダンスでも、ビジネススキルでも、ライティングでもプログラミングでも同じでしょう。
1日8時間プログラミングを行ったとして、10000時間に到達するためには1250日必要です。
1250日というと、3年と5ヶ月くらいでしょうか。
この数字を知ると「ダメだ、無理だ、そんな時間はない」と考える人がいますが、そう考えてもらうことが10000時間の法則ではありません。
誰でもこれくらい時間が掛かるのだから、焦らずにコツコツと進めることで到達できる事実を知ってもらいたいのです。
3.2: 知識の隙間を埋めない
どのようなスキルも学べば学ぶほど、知らないことが出てきます。
- これは知らない
- あれも分からない
- これを知ってないと仕事ができない
こういった状態を「知識の隙間を埋める」と言います。
しかし、こういった知識の隙間は誰にでもあります。
何十年エンジニアをやっていても、すべてのことを完璧に知っている人なんてほとんどいません。隙間はあっても良いのです。
そして、隙間が全部埋まらないと仕事ができないのではなく、今持っている知識で仕事を獲得しようとする行動が重要なのです。
行動した結果、知識や技術が足りないために仕事が獲得できないことが分かった段階で、必要な部分だけを埋めるようにするのです。
最初から完璧に、すべてのことをこなせるように準備しないと仕事を獲得できないわけではありません。
順序を間違えないでください。
3.3: 稼ぎながら学ぶのが正解
10000時間の法則や知識の隙間に惑わされないためには、学習ばかり行うのではなく、できることからスタートして稼ぎながら学ぶのが正解です。
例えば、将来的にはフリーランスのWEBアプリケーションエンジニアになりたいと考えている人なら、
STEP1:会社員時代に副業をスタートする
STEP2:簡単なホームページ制作を行う(HTMLとCSS、JavaScriptでOK)
STEP3:制作をしながらPHPやRubyを学習する
STEP4:システム開発のポートフォリオを作る
STEP5:案件に応募する
まわりくどいやりかたですが、今のスキルで稼げることを実感しながら、少しずつ大きな開発へ進んでもらうのが良いでしょう。
4: プログラミングの独学を成功させるポイント
ここで少しまとめます。
4.1: 超初心者向けの教材からスタートする
これを最初にやってもらいたいです。
できれば大型書店へ足を運んで何冊も書籍を見てみて、自分がわかりやすいと感じられるものを選んでください。
ネットの評判やアマゾンレビューだけではわからないこともありますし、これまでの経験や暮らしの違いから、わかりやすさというものは主観的なので他人の評価だけでは判断できません。
4.2: 業務経験のある人に学習ロードマップを作ってもらう
プログラミングやシステム開発の業務経験がある人に、あなたの目的へ進むための学習ロードマップを作ってもらいましょう。
すでにスキルで稼いでいる人には、それぞれの学習スタイルと経験値があります。
こういった情報はネットからは見つけにくいため、偶然の出会いなどを使っていくことが大切です。
4.3: 動画を観るよりも文字を読み解く癖をつける
プログラミングは文字の羅列です。また、仕事をすると設計書などは文章で届きます。
ですから学習フェーズから、文字を(文章を)読み解く癖をつけてもらいたいのです。
動画の教材はわかりやすいかもしれません。でも、受け身で見ているだけなので、読み込んで読解する力が身につくのかどうかわかりません。
プログラムは小説や物語と同じです。1行ずつ読み解いていくスキルを身につけておきましょう。
5: 手っ取り早くスキルを身につけたいなら
「何度もチャレンジしたけれど、どうしても挫折してしまう」
「出来るだけ短時間にスキルを身につけたい」
こういった方におすすめなのは、業務経験者が在籍している「プログラミングスクール」へ入ることでしょう。
現場経験者にとっては当たり前のルールや考え方を知ることができますので、あなたの将来に役立てることができます。
また、もっと修行系の方なら、激安単価で超簡単な制作や開発案件を獲得する方法もあります。
この場合、値段よりも納期が長いことを重視しましょう。スキルアップの手段ですから、受け取るお金よりも納期内に作った結果と機会を大事にしたいですね。
さいごに
プログラミングの学習を独学でするのは無理なのかどうか。挫折しやすい部分や難しいと感じる部分を紹介しました。
紹介しました内容は、私の経験からのことですので、世の中にたくさんいらっしゃるエンジニアの方の意見とは違っているかもしれません。
ピアノやクラシックバレイのように長い歴史の中で完成されたレッスン方法が存在しないスキルですので、私の紹介した内容を参考にしつつ、あなたご自身の価値観や学習方法に合わせた形で独学を続けてもらえれば幸いです。
毎日、コツコツ15分からはじめましょう!
1日に1つのスキルを理解するだけでも、1ヶ月で30のスキルを理解できます。
がんばっていきましょう!
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