2020年から実施される小学校でのプログラミング教育。この影響で大手企業や学習塾など、教育業界が熱を帯びています。
そこで、文部省が指導要領や手引きとして例示している「プログラミング教育」の指導内容とは、どのような内容なのかご存じでしょうか?
算数 小学5年 | コンピューターを使った正多角形を描く |
理科 小学6年 | センサーが人を感知する距離や時間などの条件を設定しながら照明を点灯・消灯させる |
総合学習 | 町のお薦めスポットを紹介するため、写真や動画、説明文の順序を組み立てながらタッチパネル式の案内表示を作る |
音楽 小学3~6年 | 創作用ソフトで様々なリズムやパターンを組み合わせ、まとまりのある音楽を作る |
社会 小学4年 | 面積や人口、特産物などの特色を組み合わせ、都道府県を特定できるプログラムを作る |
家庭 小学6年 | 炊飯に関する一連の手順について、水加減や浸水時間、加熱の仕方などをコンピューター上で条件設定してみる |
出典:読売新聞
おそらく、多くの方が「プログラミング」という言葉からイメージするものとは違っていることがわかります。
これらの内容は、プログラム言語を学習し宇宙語のような文字の羅列(コード)を入力して、コンピューターに仕事をさせる「アルゴリズム」を理解し動作するものを完成させることではありません。
どこかの会社が作った既存のアプリ(ソフトウェア)を使って、教科書から出された問題を解決するために、アプリを動かす方法について学ぶだけなんですね。イメージとしては、スマホゲームやテレビゲームの延長線ですね。
「アプリを使う=プログラミング」ではありません。
もしこれがプログラミングなら、ゲームをする人、スマホをさわる人は全員「プログラマー」です。
確かにプログラミングを行うときには、ツールとしてアプリを活用します。
しかし本来のプログラミングとは、プログラミング言語を学習し、コードを書き、アルゴリズムを完成させ、自分が思っているようにコンピューターを動作させること。
すなわち「自分でアプリを作ること=プログラミング」なのです。そして、これを行うからこそ、論理的思考や問題解決能力が育まれるのです。
おもしろいのは、英国やオーストラリア、ハンガリーでは簡単な部分までとはいえ、自分で作るところまでを学習内容として取り入れているらしいのです(文部科学省によると)。
このように、2020年からはじまるプログラミング教育は、日本と海外の教育とは内容が違います。
そして、一般的なプログラミングのイメージと小学校での教育内容は違います。
さらに、日本では地域によって指導力に格差があるというのです。
情報不足、教材不足、というベースの部分から格差があるというのですから、ここはプログラミングを学ぶ上で不安が大きくなる部分です。
だからといってこのような状況を、あと1年足らずで解決できるのかというと、かなり難しいと思うんです。
そして、まだまだ海外の教育内容とは違うわけです。
海外は「本来のプログラミング」を学んでいるわけです。
では、地域での格差やグローバルに見たときの差をどうすれば埋められるのかというと、お子さんの未来を切り開く力を強くするためには、親御さんがまずは簡単な部分でも良いので「プログラミング」の基礎を学ぶことだと僕は思っています。
これは次のように考えてもらえると非常にわかりやすいと思います。
国語、算数、理科、社会は、ほとんどの親御さんが小学校低学年までの質問に答えてあげられることでしょう。
しかし英語となると、そう簡単ではありません。
でも、英語が得意な親御さんのお子さんは、英語が得意なはず。これは、お家でお子さんが質問したとき、適切な答えを伝えられるから。
また、親御さんがミュージシャンの場合、お子さんが音楽に興味を持つと飛躍的に伸びることが多いです。(チャーや金子マリさんの家族を見るとわかりやすいです。結果的にお二人のお子さんは一緒に『RIZE』というバンドでメジャーデビューしています。)
これも、親御さんが適切なアドバイスをご家庭でできるからこそだと思います。
同じように考えると、プログラミングに関しても親御さんがお子さんの質問に答えてあげられる環境を作っておければ、間違いなくお子さんは、他の子供たちよりもプログラミングのスキルが伸びるはず。
そして子供は少しでもスキルが伸びると、一気に「スキ度」も上がりますから、さらに自分から学習するようになるでしょう。
海外との差、地域の差を埋めるためには、もっと学校での学習内容が整備されるまでは、親御さん自らがプログラミングの基礎を知ることが大切なのではないでしょうか。
そして、プログラミングの基礎を理解することは、親御さんのお仕事や生活、転職や副業などにも生かせます。
2020年のプログラミング学習必修化は、お子さんだけのことではなく、親御さんの将来にとっても必修なのだと思います。
プログラミングなんてわからない。
やっても身につくかどうか。
理系じゃないし。
もし、このようなことを考えておられるのなら、今からでも十分間にあいます。超初心者向けから少しずつ来年に向けて学びをスタートしましょう。
今なら無料でわからないことが質問できる書籍もあります。後はあなたが、お子さんのため、ご自身のため、未来を切り開く力を身につけるために一歩を踏み出すかどうかだけです。
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